(本)サプール ザ ジェントルメン オブ バコンゴ
エレガンスこそ全て。服の内側に、人間は高貴さを備えていなければならない。
NHKのドキュメンタリーで見たサプールの写真集が最近出たと知り、さっそく購入。発刊1ヶ月ちょいでもう3版。すげえ流石NHK。
アフリカのステレオタイプのような風景とおよそマッチしない、場違いなお洒落でイケてる風貌のコンゴ人達。
彼等の単なるファッションを超越したライフスタイルは、モノ余りを生きる自分にとって革新的ですらあります。貧困でありながらファッションに全てを捧げる矛盾や違和感に触れた時、国・文化・人間・自由・ルールについて考える良い機会となります。
経済的に豊かな国では、かのジョブズに代表される無印T+ジーンズという「ファッションには時間も頭も使いません」という思想があります。このメッセージは他の起業家に受け継がれ文化として成立しており途上国のコンゴとは両端ですが、共にファッションを強烈なメッセージの発信源にしている事に変わりはありません。
将来コンゴが大きく発展を遂げ経済的に豊かになったとしても、サプールが同じく羨望を受け続けられるのかにも興味が。「無い事」への渇望がサプールたる源であるのであれば、発展を遂げた時のコンゴのファッションがどうあるかにも注目でございます。
日本はファストファッション全盛で、服飾関係は中々苦しい…こないだもアローズが話題になりましたが、根本にあるのは服で個性を出す時代は古い!という空気が漂っている点でしょうか。成熟した社会であることの証明なので、悪い訳ではありませんが。
配色も鮮やかで、サプールの人生観にも圧倒される事間違いなしの名集です。買って損無し!